温泉療法でうつや睡眠も改善 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/02/05 12日間の温泉治療プログラムにより、健康な高齢者の疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態が有意に改善したことが示された。スペイン・ハエン大学のPedro Angel Latorre-Roman氏らが、52例の高齢者を対象に試験を行った結果、報告した。Psychogeriatrics誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。 検討は、スペイン国内の複数の地域から高齢者52例を集め、政府機関Elderly and Social Services(IMSERSOとして知られる)が作成した水治療(hydrotherapy)プログラムに参加してもらい評価を行った。参加者に、12日間の温泉治療プログラムを提供し、疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態について評価した。疼痛は視覚的アナログスケールを用いて、気分状態はProfile of Mood Statusを用いて、睡眠はOviedo Sleep Questionnaire、抑うつ状態はGeriatric Depression Scaleを用いて評価した。 温泉治療プログラムは、スペイン・ハエンにある温泉付きホテルBalneario San Andresで行われた。同温泉は、スペインミネラル水ハンドブックによると、低温(20℃以上)に分類され、重炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウムを豊富に含む中硬水のアルカリイオン水であった。 主な結果は以下のとおり。 ・参加者52例の内訳は、男性23例(年齢69.74±5.19歳)、女性29例(同:70.31±6.76歳)であった。 ・温泉療法は、全被験者のすべての変数(疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態)を有意に改善した(p<0.05)。 ・疼痛の改善については性差がみられた。治療後、男性では有意な改善(p<0.01)がみられたが、女性ではみられなかった。 ・気分状態の改善についても性差がみられた。女性では抑うつ症状と疲労感の両者で有意な改善(p<0.05)がみられたが男性ではみられなかった。 ・12日間の温泉治療プログラムは、健康高齢者の疼痛、気分、睡眠の質、抑うつ状態にポジティブな効果をもたらすことが示唆された。 関連医療ニュース うつ病患者で重要な食事指導のポイント うつになったら、休むべきか働き続けるべきか ビタミンB併用で抗うつ効果は増強するか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Latorre-Roman PA, et al. Psychogeriatrics. 2014 Dec 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 久山町研究における脂肪酸解析-医薬品としての高純度EPA製剤の重要性-(2014/09/22) Dr. 倉原の“おどろき”医学論文(2013/08/21) アリスミアのツボ(2014/09/01) 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」 (2014/10/08) 今こそメディカルコーチング -院内をワクワクに変える手法(2014/06/18)