慢性創傷の管理はますます大きな問題となってきており、遠隔医療が効果的なアプローチとして広く認められている。これまで創傷管理における遠隔医療の臨床効果に関するエビデンスはなかったが、デンマーク・コペンハーゲン大学のKian Zarchi氏らは、前向き集団無作為化試験を行い、慢性創傷の管理の改善には、訪問看護師を創傷の専門家チームとつなげる遠隔医療の使用が有用であることを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌2015年3月号(オンライン版2014年10月7日号)の掲載報告。
選択基準を満たした在宅ケアの慢性創傷患者90例を遠隔医療群50例、従来治療群40例に分け、1年間追跡した。褥瘡、手術創およびがん創傷の患者は除外された。
主な結果は以下のとおり。
・1年後において、完全創傷治癒は遠隔医療群で35例(70%)に認められたのに対し、従来治療群は18例(45%)であった。
・遠隔医療を介して創傷治癒に関するアドバイスを提供することは、従来治療と比較して治癒の有意な増加と関連した。
・遠隔医療 vs 従来治療の調整済みハザード比は2.19(95%信頼区間:1.15~4.17、p=0.017)であった。
(ケアネット)