2015年7月16日(木)から3日間にわたり、札幌にて、第13回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち、6月25日、日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催され、今年のJSMOで取り上げられる各領域のトピックスや、期待が高まるがん免疫療法などについて、それぞれ紹介された。
肺がんについては、大泉 聡史氏(北海道大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野)より、トピックスや注目演題などが紹介された。
大泉氏は、肺がん領域で取り上げられるトピックスとして4つを挙げ、それぞれの主な注目演題を紹介した。
1) 免疫チェックポイント阻害薬の非小細胞肺がんへの応用
肺扁平上皮がんの2次治療におけるニボルマブ対ドセタキセルの第III相試験(Checkmate-017試験)で、ニボルマブの有用性が確認された。わが国でも早く承認されることが期待されている。
・プレナリーセッション
PS-2 A Phase III Study (CheckMate 017) of Nivolumab (NIVO; anti-programmed death-1) vs Docetaxel (DOC) in Previously Treated Advanced or Metastatic Squamous (SQ) cell Non-small Cell Lung Cancer (NSCLC)
日時:2015年7月17日(金)14:05~15:20
会場:Room1(ニトリ文化ホール)
・オーラルセッション
呼吸器7 免疫チェックポイント阻害薬による肺がん治療
日時:2015年7月18日(土)8:00~9:30
会場:Room2(ロイトン札幌3FロイトンホールA)
2) EGFR遺伝子変異陽性肺がんのEGFR-TKI耐性時の治療戦略
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)に抵抗性となる患者の5~6割がT790Mという遺伝子変異である。これを標的とする新規EGFR-TKIのAZD9291の臨床研究結果が報告されているが、JSMOでは日本人集団のみのデータが報告される予定である。
・オーラルセッション
呼吸器1 EGFR-TKI 耐性
日時:2015年7月16日(木)12:30~13:40
会場:Room7(ホテルさっぽろ芸文館3F瑞雪の間)
3) わが国で開発された進行期肺扁平上皮がんの新規治療法
進行再発肺扁平上皮がんの初回治療では、今までシスプラチン+ドセタキセルが標準治療であった。今回、標準治療と新たな治療法であるネダプラチン+ドセタキセルについて、西日本がん研究機構(WJOG)による第III相試験で比較したところ、ネダプラチン+ドセタキセルの有用性が認められた。
・オーラルセッション
呼吸器5 肺がんの新たなる治療戦略
日時:2015年7月17日(金)9:30~10:30
会場:Room7(ホテルさっぽろ芸文館3F瑞雪の間)
4) 肺がんの遺伝子学的解析の最前線
・インターナショナルセッション2-2
肺がん(2)肺がんの遺伝子学的解析の最前線
日時:2015年7月17日(金)8:30~9:30
会場:Room7(ホテルさっぽろ芸文館3F瑞雪の間)
【第13回日本臨床腫瘍学会学術集会】
■会期:2015年7月16日(木)~18日(土)
■会場:ロイトン札幌・ホテルさっぽろ芸文館・札幌市教育文化会館
■会長:秋田 弘俊氏(北海道大学大学院医学研究科 腫瘍内科学分野 教授)
■テーマ:難治がんへの挑戦 医学・医療・社会のコラボレーション
第13回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら
(ケアネット 金沢 浩子)