特発性肺線維症治療薬ニンテダニブが承認

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/07/09

 

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃)は2015年7月3日、チロシンキナーゼ阻害剤/抗線維化剤ニンテダニブエタンスルホン酸塩(商品名:オフェブ カプセル100mg、同カプセル150mg)が特発性肺線維症の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。

 ニンテダニブは特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)の治療を目的としてベーリンガーインゲルハイムが開発したIPFに対する初の分子標的薬。肺線維症の発症機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする。

 ニンテダニブは第III相国際共同臨床試験(INPULSIS-1試験、INPULSIS-2試験)において、一貫して主要評価項目である努力肺活量(FVC)の年間 減少率をプラセボに比べて統計学的に有意に抑制することを示した。

 特発性肺線維症(IPF)は慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患だが、現時点で利用できる治療選択肢は限られている。IPFは肺組織の進行性の瘢痕化と経時的な呼吸機能の低下を特徴とし、時間経過と共に肺の機能が失われ、主要臓器に十分な酸素が供給できなくなる。有病率は、世界で100,000人あたり14~43人と推定される。

オフェブの概要
商品名:オフェブカプセル100mg、オフェブカプセル150mg
効能・効果:特発性肺線維症
用法・用量:通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mgの1日2回投与へ減量する。

日本ベーリンガーインゲルハイム プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/press_releases/2015/150703.html

(ケアネット 細田 雅之)