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統合失調症治療、ドパミン調節の概念が変わる 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/16 イタリア・ナポリ大学医学部のAndrea de Bartolomeis氏らは、統合失調症治療において、ドパミン調節の概念がドパミンD2受容体遮断から機能的選択性へと変化しつつあるとしたうえで、アリピプラゾールの神経生物学的作用について言及し、統合失調症治療薬としての可能性の広がりを示唆した。CNS Drugs誌2015年9月号の掲載報告。 本レビューで著者らは、ドパミンの部分作動および機能的選択性は、統合失調症および気分障害の薬物治療における革新的な治療戦略となってきており、ドパミン調節の概念もドパミンD2受容体(D2R)遮断という確立されたアプローチから変化する方向にあると指摘。近年のアリピプラゾールを取り巻く知見は以下のとおりであると述べている。 ・アリピプラゾールは12年以上も前に治療に導入されたにもかかわらず、同薬がシグナル伝達経路や細胞内経路に及ぼす複雑な影響(それは受容体の多様なプロファイルによるところもある)に関し、多くの疑問が解決されないままである。 ・その作用機序の複雑さから、同薬の作用を説明する概念は部分作動から機能的選択性へと徐々に変化している。 ・初期遺伝子導入から足場タンパク質調節および転写因子活性に至るまで、アリピプラゾールにおいては多数の細胞内経路、そして複数の皮質内・皮質下にある神経伝達物質経路への影響が示されてきた。 ・エビデンスの蓄積により、アリピプラゾールはD2R占有の影響にとどまらず、使用可能な抗精神病薬の中でもユニークな神経生物学的作用が示されている。 ・アリピプラゾールの長期服用がD2Rの親和性と受容体の数に与える影響は、精神疾患の長期治療に関するトランスレーショナル・インプリケーションと共に注目されている。 ・アリピプラゾールは、D2Rのfullアンタゴニストとは異なる細胞内経路(=細胞外シグナル調節キナーゼ[ERK])に及ぼす影響とともに、細胞保護メカニズムおよび神経突起成長に対する影響が予測されており、これは新規かつ将来のバイアスリガンド化合物の標的のさらなる探索を示唆するものである。 関連医療ニュース 統合失調症のドパミン・コリン仮説を検証 統合失調症の治療成績にD2/3結合能は影響するか 難治性うつ病におけるドパミンの役割は (ケアネット) 原著論文はこちら de Bartolomeis A, et al. CNS Drugs. 2015;29:773-799. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 利尿薬に低用量ドパミンを上乗せするメリットは?:腎機能障害を有する急性心不全患者/JAMA ジャーナル四天王(2013/12/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発・難治性DLBCL、複数の分子標的薬を含む5剤併用療法が有効/NEJM(2024/07/02) 心房細動とその合併症の生涯リスクの2000~22年における経時的変化:デンマークの一般住民を対象とした全国規模のコホート研究(解説:原田和昌氏)(2024/07/02) 臨床現場で認知症やMCI患者のアドヒアランスは把握可能か(2024/07/02) ライフステージごとの運動で健康寿命の延伸を目指す/日医(2024/07/02) プラネタリーヘルスダイエットは地球と人間の健康を促進する(2024/07/02) ニルマトレルビル/リトナビル、long COVIDに対する効果が認められず(2024/07/02) キシリトールの摂取は心血管イベントのリスクを高める(2024/07/02) 問題飲酒につながる仕事の特性(2024/07/02) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)