新病型としてアトピー緑内障を提唱

提供元:ケアネット

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公開日:2015/12/28

 

 重篤なアトピー性皮膚炎に合併する開放隅角緑内障(アトピー緑内障)は、重度で眼表面や眼瞼の炎症を伴い治療に難渋する傾向にある。順天堂大学大学院 眼科学の高桑 加苗氏らは、後ろ向き解析と病理学的検討を行い、新しい臨床病型としてアトピー緑内障を提唱した。純粋アトピー緑内障から、アトピー眼性合併症の臨床像の1つといえる混合型アトピー/ステロイド誘発緑内障まで、幅広い疾患概念である。Journal of Glaucoma誌2015年12月号の掲載報告。

 研究グループは、アトピー緑内障45例(62眼)について後ろ向きに解析し、外科的治療時に採取した眼房水のサイトカイン分析を行うとともに、線維柱帯切除標本を組織学的に検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・アトピー白内障(43眼)および網膜剥離(19眼)の合併が多かった。
・12例は、グルココルチコイド治療歴がなかった。
・計50眼は、高度な視野欠損あるいは高眼圧のため外科的治療を要した。
・術後濾過胞感染症は、7眼で観察された。
・眼房水の炎症性サイトカイン(IL-8およびCCL2)濃度は、老人性白内障患者と比較してアトピー緑内障患者で高かった。
・アトピー緑内障の線維柱帯組織に10~30nmファイバーの超微構造が確認された。

(ケアネット)