BMIで肥満であることが必ずしも不健康であるとは言えないようだ。今回、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のA. Janet Tomiyama氏らが報告した研究によって、BMIは心血管代謝の健康と相関するものではないことが明らかになった。International Journal of Obesity誌オンライン版2016年2月4日号に掲載。
本研究では、2005~12年に米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した18歳以上の成人4万420例を対象に、血圧、トリグリセライド、コレステロール、グルコース、インスリン抵抗性、C反応性蛋白の値を用いて代謝的に健康な人と不健康な人の集団内頻度と割合を算出し、BMIにより層別化した。
結果は以下のとおり。
・過体重者の約半数、肥満者の29%、さらに肥満度II~IIIの肥満者の16%が代謝的に健康であった。
・正常体重者の30%超で、心血管代謝が不健康であった。
・人種とBMIの有意な交互作用は見られなかったが、性別とBMIの有意な交互作用が認められた(F(4,64)=3.812、p=0.008)。
(ケアネット 河野 祐子)