統合失調症の病態生理とBDNFの関連:産業医科大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/12 統合失調症の病態生理には、カテコールアミン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、サイトカインが関与するといわれている。産業医科大学の堀 輝氏らは、非定型抗精神病薬単独療法で治療された統合失調症患者における認知機能と血清BDNFレベル、血清カテコールアミン代謝物、サイトカインとの関連を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年7月13日号の報告。 統合失調症患者146例と年齢、性別をマッチさせた健常対照群の抹消生物学的マーカーおよび神経認知テストを調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・血清BDNFレベルは、言語記憶、注意、処理速度のスコアだけでなく、陰性症状とも正の相関が認められた。 ・血漿ホモバニリン酸(HVA)レベルと運動機能に負の相関、血漿3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol(MHPG)レベルと注意、処理速度に正の相関が認められた。 ・インターロイキン6(IL-6)またはTNF-αと認知機能との間に有意な相関は認められなかった。 ・HVA、MHPG、サイトカインの血漿レベルと臨床症状との間に有意な相関は認められなかった。 統合失調症患者において、言語記憶・注意の減退と血清BDNFレベル、また運動機能と血漿HVAレベル、また注意と血漿MHPGレベルについて、それぞれ相関が認められた。 関連医療ニュース 統合失調症、大脳皮質下領域の新発見:東京大学 統合失調症治療、ドパミン調節の概念が変わる 統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hori H, et al. World J Biol Psychiatry. 2016 Jul 13:1-30. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)