ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は、2016年8月31日(水)、「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(以下、非小細胞肺がんを「NSCLC」と略記)」の治療薬として、クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)の承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。
ROS1の再構成は、NSCLCのおよそ1%に生じることが示唆されている。日本においては、肺がんの総患者数が13.8万人であることから、推定患者数は1,400人程度と考えられている。
クリゾチニブは、ファイザー社が開発した分子標的薬で、ALK阻害作用とともにROS1阻害作用を有し、ROS1融合蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍細胞の成長と生存に必要な細胞内のシグナル伝達を遮断する。今回は、ROS1融合遺伝子陽性NSCLCを対象とした海外第I相試験ならびに日本を含むアジア共同第II相試験におけるクリゾチニブの有効性と安全性を評価し、その結果を取りまとめ申請に至った。
クリゾチニブの「ROS1陽性の転移性NSCLC」適応症については、2016年3月に米国で追加されている。欧州医薬品庁(EMA)においては、同適応症の承認申請を審査中である。
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(ケアネット 細田 雅之)