遅発性うつ症状で認知症リスクの高い患者像 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/10/11 小血管疾患(SVD)患者における全原因による認知症と抑うつ症状との関連について、オランダ・ラートボウト大学医療センターのIngeborg W M van Uden氏らは、抑うつ症状発症年齢と認知能力を考慮したうえで、検討を行った。Neurology誌2016年9月13日号の報告。 RUN DMC研究(Radboud University Nijmegen Diffusion Tensor and Magnetic Resonance Cohort)は、ベースライン時、認知症でなく、MRIでSVDを有する高齢者503例の前向きコホート研究(2006年)と5年間のフォローアップ(2012年)である。抑うつ症状は、カプランマイヤー曲線で階層化し、認知症リスクをlog-rank検定を用いて比較した。ハザード比(HR)の算出には、Cox回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップでは、496例の参加者データが利用可能であった(ベースラインの平均年齢:65.6±8.8歳、平均追跡期間:5.2年)。 ・全原因による認知症発症者は、41例であった。 ・5.5年間の認知症リスクは、抑うつ症状を有する高齢者で高く(HR:2.7、95%CI:1.4~5.2)、独立した危険因子であった。 ・この傾向は、遅発性の抑うつ症状を有する高齢者で認められた。 ・ベースライン時に認知機能が低かった高齢者と比較し、高かった高齢者において、5年間の累積認知症リスク差は、抑うつ症状を有する高齢者で高かった(抑うつ症状なし:0.0% vs. 抑うつ症状あり:6.9%、log-rank検定:p<0.001)。 関連医療ニュース 高齢者の遅発性うつ病に影響する要因とは:東大 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか 抑うつ症状は、がん罹患有無に関係なく高齢者の死亡に関連 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら van Uden IW, et al. Neurology. 2016;87:1102-1109. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)