うつ病エピソードと緯度との関連とは

カナダにおける緯度と年間のうつ病エピソードの有病率との関連について、カナダ・カルガリー大学のScott B Patten氏らが検討を行った。Canadian journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月11日号の報告。
2つの全国調査プログラム(The National Population Health Survey、the Canadian Community Health Survey)のデータより、1996~2013年に収集した10個のデータセットを使用した。両プログラム合わせて回答者92万2,260例、そのうち49万5,739例はComposite International Diagnostic Interview1/2ショートバージョン(8研究)とCanadian adaptation of the World Mental Health version(2研究)を用いてうつ病エピソードを評価されていた。大まかな緯度は、郵便番号データとの連携により決定した。データは、ロジスティック回帰を用い分析し、個々レベルのメタ分析を用いて、調査全体でプールした。
主な結果は以下のとおり。
・連続変数としての緯度経度標高モデルでは、有病率の増加と緯度の増加の間に統計学的に有意な関連が認められた。
・この関連は、既知の危険因子で調整後も認められた。
・緯度勾配は、あまり大きくなく、うつ病エピソード/緯度の有病率オッズで、1~2%の増加が観察された。
・低密度なデータであったため、この勾配は、主要な人口重心を越えて一般化することができなかったが、北緯55度未満で発生する傾向があった。
・本断面解析では、病因を確認することができず、光曝露、気象パターン、社会的要因のような潜在的な変数を評価することができなかった。
関連医療ニュース
低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学
性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大
出生地が双極性障害発症時期に影響
(鷹野 敦夫)
[ 最新ニュース ]

敗血症性ショック、強化学習モデルのバソプレシン投与で死亡率低下/JAMA(2025/04/01)

各連携機関から見た造血幹細胞移植の現状と展望/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/01)

EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがOS改善(MARIPOSA)/ELCC2025(2025/04/01)

治療抵抗性うつ病に対する新たな治療薬、今後の展望は(2025/04/01)

BMIを改善すると心房細動リスクが低減か(2025/04/01)

中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益(2025/04/01)

自己免疫疾患に対する心身症の誤診は患者に長期的な悪影響を及ぼす(2025/04/01)

レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性(2025/04/01)
[ あわせて読みたい ]
Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)
薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30)
全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31)
ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15)
診療よろず相談TV(2013/10/25)
在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)
「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)
柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)
松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)