統合失調症患者、悲しい曲を悲しいと認識しているのか:都立松沢病院 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/01/30 これまでの研究では、統合失調症患者の音楽能力は損なわれていると報告されている。東京都立松沢病院の阿部 大樹氏らは、悲しみをマイナーコードに関連付ける患者の能力を評価するための簡便な音楽ベースの試験法を開発し、さらに音楽的障害と精神症状との相関関係の特性を明らかにした。Schizophrenia research誌オンライン版2016年12月23日号の報告。 対象は、統合失調症患者29例と年齢、性別、音楽的背景にマッチした対照群29例。対象者には、最初にCメジャー進行コード、次にCマイナー進行コードと2つの音楽刺激を与えた。対象者は、どの刺激が悲しみと関連しているかを回答した。精神症状重症度は、PANSSを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・マイナーコードが悲しみと関連していた割合は、統合失調症患者で37.9%(95%CI:19.1~56.7)、対照群で97.9%(95%CI:89.5~103.6)であった。 ・治療抵抗性統合失調症と診断された4例は、マイナーコードと悲しみが関連しなかった。 ・マイナーコードを悲しいと認識しない患者は、すべてのPANSSサブスケールにおいて有意に高いスコアを示していた。 著者らは「簡便なテストで、統合失調症患者の音楽誘発感情を評価することができ、音楽誘発感情と精神症状との潜在的な関連も示されるであろう」としている。 関連医療ニュース 統合失調症、男と女で妄想内容は異なる 音楽療法にうつ症状改善は期待できるか 音楽療法が不眠症に有用 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Abe D, et al. Schizophr Res. 2016 Dec 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 貧血を伴う動脈瘤性くも膜下出血の輸血、非制限戦略vs.制限戦略/NEJM(2024/12/24) 日本人双極症外来患者におけるアルコール依存症合併率とその要因〜MUSUBI研究(2024/12/24) 乳がん再発予測、ctDNA検査はいつ実施すべき?示唆を与える結果(ZEST)/SABCS2024(2024/12/24) DOACとスタチンの併用による出血リスク(2024/12/24) 不規則な睡眠習慣は主要心血管イベントリスクを高める(2024/12/24) 超加工食品の大量摂取は活動性乾癬と関連(2024/12/24) GLP-1RAによる肥満治療が食品ロスを増やしている(2024/12/24) 口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究(2024/12/24) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)