オラパリブがBRCA変異陽性卵巣がんの希少疾病用医薬品に指定

提供元:ケアネット

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公開日:2017/03/31

 

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン)は、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブが、「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌」を予定される効能・効果として、2017年3月24日、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。

 オラパリブは、ファースト・イン・クラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常を来したがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する。生殖細胞系BRCA (gmBRCA) 遺伝子変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がんを対象にオラパリブとプラセボを比較した、国際共同第III相臨床試験SOLO-2において、無増悪生存期間(PFS)の大幅な延長を示している(19.1ヵ月 vs.5.5ヵ月、HR:0.30、95%CI:0.22〜0.41、p<0.0001)。

 卵巣がんは本邦において、毎年約9,000人が罹患しており、2014年の患者数はおよそ2万6,000人と報告されている。遺伝性のBRCA遺伝子変異陽性卵巣がんは、推定患者数が3,500人未満ときわめて希であるものの、散発性の卵巣がんとは異なる病態的特性を持ち、HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome:遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)という疾患概念の一部として認識されている。しかし、BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんに対する分子生物学上の特性を考慮した治療薬剤は、本邦ではまだ承認されていない。

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(ケアネット 細田 雅之)