統合失調症の認知機能に関連する独立因子:産業医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/04/14 アリピプラゾールは、統合失調症の認知機能にさまざまな影響を与えることが報告されている。産業医科大学の堀 輝氏らは、アリピプラゾールで治療中の統合失調症患者の認知機能に影響を及ぼす要因を特定し、生物学的マーカー、臨床データ、精神症状を評価した。International journal of molecular sciences誌2017年3月6日号の報告。 対象は、統合失調症患者51例。認知機能の評価には、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)を用い、患者背景、精神症状、カテコールアミン代謝物血漿ホモバニリン酸(HVA)、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)、血清脳由来神経栄養因子(BDNF)との関連を評価した。認知機能と関連する独立した因子を同定するため、多変量解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・BDNFレベル、入院回数、MHPGレベルは、言語記憶および学習と関連していた。 ・総入院期間とMHPGレベルは、作業記憶と関連していた。 ・初回入院年齢、教育年齢は、運動速度と関連していた。 ・入院回数、PANSS陰性症状サブスケールスコア、MHPGレベル、BDNFレベル、DIEPSSスコアは、言語流暢性と関連していた。 ・HVAレベル、MHPGレベル、罹病期間、PANSS陰性症状サブスケールスコアは、注意および処理速度と関連していた。 ・BDNFレベル、MHPGレベルは、執行機能と関連していた。 著者らは「これらの結果より、アリピプラゾール治療中の患者において、これら寄与因子をコントロールすることにより、精神症状や認知機能障害の治療が改善されることが示唆された」としている。 関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、認知機能に対する影響を検証 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 抗精神病薬の高用量投与は悪か (鷹野敦夫) 原著論文はこちら Hori H, et al. Int J Mol Sci. 2017;18. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)