肥満が双極性障害の病態生理に影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/23 双極性障害(BD)患者の60%以上で肥満が報告されている。肥満は、疾患の重症度を悪化させ、認知や機能アウトカムに影響を及ぼす。白質(white matter:WM)の異常は、BDの神経イメージング研究において、最も一貫して報告された知見の1つである。イタリア・Scientific Institute Ospedale San RaffaeleのElena Mazza氏らは、BD患者においてBMIとWM統合性が相関すると仮定し、検討を行った。Bipolar disorders誌2017年3月号の報告。 BDうつ病患者164例のサンプルにおけるBMIを評価した。WM統合性の拡散テンソル画像(DTI)測定(FA、MD、AD、RDを含む)のために、閾値のないクラスター強化法を用いて全脳線維束に基づく空間統計を行った。 結果、BMIは、いくつかの線維束、前放射冠、前頭視床、下前頭後頭部束、脳梁において、WM統合性と関連していることがDTI測定で観察された。 著者らは「気分調整や神経認知機能に不可欠なWM経路におけるBMIの関連は、重要な皮質辺縁系ネットワークでの構造的な連結性への有害作用を介し、BMIがBDの病態生理に影響する可能性のあることが示唆された」としている。 関連医療ニュース 双極性障害とうつ病の鑑別診断への試み:奈良県立医大 白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大 ドパミンD2/3受容体拮抗薬、統合失調症患者の脳白質を改善 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mazza E, et al. Bipolar Disord. 2017;19:116-127. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害とADHDは密接に関連している 疫学(頻度)(2013/01/30) 統合失調症と肥満~メタ解析 医療一般(2021/10/21) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)