安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/20 データ集約を含む調査では研究間で再発の定義が異なるため、臨床評価尺度の総スコアはより一般的なアウトカムを提示する。カナダ・トロント大学の竹内 啓善氏らは、統合失調症の1年以上の維持治療における、抗精神病薬とプラセボの総合的な症状の軌跡を比較した。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年5月18日号の報告。 PANSSおよびBPRS総スコアが報告されている安定期統合失調症患者を対象とし、抗精神病薬とプラセボを用いたランダム化比較試験を抽出した。メタ回帰分析は、混合モデルを用いて行った。 主な結果は以下のとおり。 ・2,826例を含む11研究が抽出された。 ・メタ回帰分析では、グループと時間との間に有意な相互関係が認められた。抗精神病薬治療を継続している患者では、標準化された総スコアとパーセントスコアはほとんど変わらず、プラセボ治療に移行した患者では、経時的に症状悪化が認められた。 著者らは「統合失調症に対する長期抗精神病薬治療を考える場合には、臨床医は症候的および機能的アウトカムのバランスを取る必要がある」としている。 ■関連記事 維持期統合失調症治療、抗精神病薬の中止は可能か 統合失調症治療、安定期の治療継続は妥当か 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takeuchi H, et al. Br J Psychiatry. 2017 May 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者が正常に抗精神病薬を中止した臨床的特徴に関するレビュー 医療一般 日本発エビデンス(2018/11/12) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)