双極性障害の診断遅延は避けられないのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/16 双極性障害(BD)の診断は、初期の診断でうつ病とされることが多く、BDの正確な診断や治療の遅れにつながっている。これまでの調査では、うつ病からBDへの診断変更の予測因子に焦点が当てられてきたが、この診断遅延の調査は多くはない。オーストラリア・シドニー大学のKristina Fritz氏らは、この診断遅延を説明できそうな患者の特徴や心理的要因をさらに理解するため、うつ病の初期診断後にBDと診断されるまでにかかった時間を検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年5月22日号の報告。 精神科医による臨床評価を受け、一連のアンケートを完了した382例を対象とした。 主な結果は以下のとおり。 ・初期にうつ病と診断され、その後BDと診断された患者は90例で、診断変更までの平均遅延期間は8.74年であった。 ・後にBDと診断された患者は、平均して、より若い年齢でうつ病と診断、より多い躁症状の経験、よりオープンな性格、より良い対処能力を有していた。 ・Cox回帰では、うつ病の診断からBDとされた患者は、より早期にうつ病と診断されており、診断変更までの期間の長さと、機能不全の可能性がより高まることへの関連が示された。 著者らは「本検討から、うつ病の早期診断がBDへの診断変更の遅れと関連することが示唆された」としている。 ■関連記事 うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴 うつ病と双極性障害を見分けるポイントは たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fritz K, et al. Bipolar Disord. 2017 May 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] マラリア対策のための高解像度地図の最新版、COVID-19の影響は?/Lancet(2025/04/02) 2型DMへの自動インスリン投与システム、HbA1c値を改善/NEJM(2025/04/02) 胃がんT-DXd、日本における販売後調査の最終解析/日本胃癌学会(2025/04/02) 閉塞性肥大型心筋症へのmavacamten、長期有効性・安全性の中間解析(HORIZON-HCM)/日本循環器学会(2025/04/02) 腸管GVHDの発症・重症化および予防・治療における腸内細菌叢の役割/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/02) OTC薬の乱用と精神症状発症リスクとの関係(2025/04/02) 「血痰は喀血」、繰り返す喀血は軽症でも精査を~喀血診療指針(2025/04/02) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)