近年、多量飲酒と胃がんリスクとの関連が報告されているが、飲酒量について課題が残っている。今回、症例対照研究のプール解析であるStomach cancer Pooling(StoP)Projectにおいて、これらの関連性がより詳細に示された。International Journal of Cancer誌オンライン版2017年7月18日号に掲載。
本研究は、欧州、アジア、北米の計20研究におけるケース9,669例およびコントロール2万5,336例のプール解析である。ランダム効果メタ回帰モデルを使用して、研究ごとのオッズ比(OR)をプールし、要約オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・4杯/日以下の飲酒者の胃がんリスクは非飲酒者と比べて増加しなかったが、多量飲酒者(4杯/日超~6杯/日)ではORが1.26(95%CI:1.08~1.48)、超多量飲酒者(6杯/日超)では1.48(95%CI:1.29~1.70)であった。
・4杯/日超の飲酒者の胃がんリスクは、生涯非喫煙者ではORが1.87(95%CI:1.35~2.58)と、現喫煙者の1.14(95%CI:0.93~1.40)より高かった。
・非噴門部(OR:1.28、95%CI:1.13~1.45)より噴門部(OR:1.61、95%CI:1.11~2.34)の胃がん、びまん型(OR:1.29、95%CI:1.05~1.58)より腸型(OR:1.54、95%CI:1.20~1.97)のがんで、多量飲酒とやや強い関連が認められた。
・この関連は、H.pylori感染者(OR:1.52、95%CI:1.16~2.00)および非感染者(OR:1.69、95%CI:0.95~3.01)において同程度であった。
(ケアネット 金沢 浩子)