早期改善が最も期待できる抗うつ薬は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/16 抗うつ薬治療の最初の2週間でうつ症状を早期に改善することは、うつ病患者のその後の良好な治療アウトカムを予測するレジリエンスシグナルであるといわれている。しかし、早期改善の予測値は研究間で異なっており、異なる抗うつ薬の使用が影響している可能性がある。ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのStefanie Wagner氏らは、うつ病患者における将来の治療反応や寛解に対する早期改善の予測値を評価し、早期改善の可能性が最も高い抗うつ薬を特定するため検討を行った。Journal of psychiatric research誌オンライン版2017年7月4日号の報告。 うつ病患者に対する早期改善効果について、抗うつ薬とプラセボまたは他の抗うつ薬との単独療法を比較したランダム化比較試験17件より、成人うつ病患者1万4,779例を抽出した。治療2週間後に20%/25%超の症状改善を早期改善と定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・早期改善は、抗うつ薬群で62%(範囲:35~85%)、プラセボ群で47%(範囲:21~69%)であった。 ・早期改善は、高感度(85%、95%CI:84.3~85.7)および低~中等度の特異性(54%、95%CI:53.1~54.9)で、治療5~12週間後の治療反応および寛解を予測した。 ・早期改善患者は、非改善者と比較し、エンドポイントにおける治療反応率が8.37倍(6.97~10.05)高く、寛解率は6.38倍(5.07~8.02)高かった。 ・早期改善率が最も高かった薬剤は、ミルタザピンおよび三環系抗うつ薬であった。 著者らは「本知見は、抗うつ薬治療の初期段階における治療決定に重要である。早期治療決定の有効性を検討する試験をさらに行うべきである」としている。 ■関連記事 うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは うつ病の寛解率、職業で差があるか うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wagner S, et al. J Psychiatr Res. 2017 Jul 4. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07)