SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/24 うつ病女性において標準的な治療では十分な効果が得られないことがある。クレアチン水和物や5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)による従来の抗うつ薬治療の増強療法は、女性のうつ病に関連するセロトニン産生や脳の生物学的因子の欠損を補正し、相乗的な効果をもたらす。米国・ユタ大学のBrent M. Kious氏らは、SSRIまたはSNRI単独療法で効果不十分なうつ病女性に対する、5-HTPおよびクレアチン増強療法に関するオープンラベル試験を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年8月5日号の報告。 SSRIまたはSNRIを十分に服用し、現在もうつ症状が残存している女性15例(HAM-D17スコア16点以上)を対象に、クレアチン水和物5g/日と5-HTP 100mg 1日2回による増強治療を8週間行い、4週間フォローアップした。主要アウトカムは、平均HAM-Dスコアの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。 ・平均HAM-Dスコアは、前処置時の18.9点(SD:2.5)から7.5点(SD:4.4)に低下し(p<0.00001)、60%の減少が認められた。 ・治療に関連した重篤な有害事象は認められなかった。 著者らは「SSRIまたはSNRI治療抵抗性のうつ病女性に対するクレアチンと5-HTP併用療法は、効果的な増強戦略であると考えられる。本研究は、小規模なオープンラベル試験であるため、今後は無作為化プラセボ対照試験により明らかにする必要がある」としている。 ■関連記事 SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kious BM, et al. J Clin Psychopharmacol. 2017 Aug 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 疫学(危険因子)(2013/01/31) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)