アリピプラゾール増強が有効な治療抵抗性うつ病患者の3つの特徴 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/15 高齢者の治療抵抗性うつ病に対するアリピプラゾール増強療法によって寛解が得られる特定の抑うつ症状を明らかにするため、米国・ピッツバーグ大学のMarie Anne Gebara氏らが検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年10月3日号の報告。 本研究は、高齢者の治療抵抗性うつ病に対するアリピプラゾール増強療法の安全性および有効性を評価した試験のデータに基づいた二次解析である。60歳以上の高齢者を対象に、アリピプラゾール増強療法群(91例)またはプラセボ群(90例)に無作為に割り付けた。主要アウトカムは、うつ病の寛解とした。臨床予測因子は、症候性(スコア2超)または非症候性(スコア2以下)に分類される各MADRS項目のスコアとした。 主な結果は以下のとおり。 ・アリピプラゾール増強療法によるうつ病寛解を予測したMADRS項目は、睡眠障害の症候性スコアおよび外見に表出される悲しみ(apparent sadness)、感情を持てないこと(inability to feel)の非症候性スコアの3つであった。 ・これらMADRS項目の2wayおよび3wayの相互の影響は、寛解の重要な予測因子ではなかった。従って、モデルの寛解を予測する能力は、有意なMADRS項目を組み合わせることにより改善されなかった。 著者らは「臨床的に評価可能な特定の抑うつ症状を確認することは、治療決定するうえで利用可能である。睡眠障害、外見に表出される悲しみや感情を持てないことの欠如を有する治療抵抗性うつ病高齢者には、アリピプラゾール増強療法を考慮すべきである」としている。 ■関連記事 治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用vs.抗精神病薬増強 SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法 たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gebara MA, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2017 Oct 3. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証 医療一般(2016/03/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 局所進行頭頸部扁平上皮がんの維持療法、アテゾリズマブvs.プラセボ/JAMA(2025/03/31) CEA中の超音波血栓溶解法、第III相試験の結果/BMJ(2025/03/31) ベンゾジアゼピンによる治療はアルツハイマー病の重大なリスク因子なのか(2025/03/31) 限局型小細胞肺がん、CRT後のデュルバルマブ承認/AZ(2025/03/31) ベネトクラクス、再発・難治マントル細胞リンパ腫に追加承認/アッヴィ(2025/03/31) 「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン」改訂のポイント/日本胃癌学会(2025/03/31) 極端な暑さは高齢者の生物学的な老化を早める(2025/03/31) 一人暮らしの認知症者は疎外されやすい?(2025/03/31) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)