双極性障害における混合状態の急性期および長期治療に関するWFSBPガイドライン

提供元:ケアネット

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公開日:2017/12/05

 

 最近のガイドラインでは、双極性混合状態の認知や治療は、臨床的に関連性が高いものの、十分に評価されていない。WFSBP(生物学的精神医学会世界連合)ガイドラインでは、成人の双極性混合状態の急性期および長期治療に関するすべての科学的エビデンスのシステマティックレビューが行われた。本検討に関して、英国・ニューカッスル大学のHeinz Grunze氏らが報告を行った。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2017年11月3日号の報告。

 ガイドラインに使用した資料は、さまざまなデータベースを用いてシステマティックに文献検索を行い、抽出した。エビデンスは6つのレベル(A~F)に分類され、実行可能性を保証するため異なる推奨グレードが割り当てられた。著者らは、双極性混合状態患者における躁症状およびうつ症状の急性期治療に関するデータ、躁症状またはうつ症状エピソード後の混合エピソード再発予防に関するデータ、混合エピソード後の躁症状またはうつ症状の再発に関するデータを調査した。

主な結果は以下のとおり。

・双極性混合状態における躁症状は、いくつかの非定型抗精神病薬による治療に反応しており、オランザピンによる治療において最も良いエビデンスが認められた。
・うつ症状では、通常治療にziprasidoneを追加することが有用であると考えられる。しかし、躁症状の治療よりも限定されたエビデンスしか存在しなかった。
・オランザピン、クエチアピンに加え、バルプロ酸、リチウムも再発予防のために考慮すべきである。

本研究の限界として、混合状態の概念は時とともに変化しており、最近のDSM-5では包括的に扱われている。結果として、双極性混合状態患者における研究は、若干異なる双極性亜集団を対象としている。さらに、近年では急性期および維持治療の試験デザインが進歩している。

 著者らは「現在推奨されている双極性混合状態への治療は、限られたエビデンスに基づいており、混合機能コンセプトを用いたDSM-5に準じた研究が求められる」としている。

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