統合失調症患者の自傷リスクに対する抗精神病薬の効果比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/13 統合失調症患者の自傷行為による入院について、治療に用いられる抗精神病薬により違いがあるかについて、台湾・国立台湾大学のC-H. Ma氏らが、調査を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年2月11日号の報告。 台湾健康保険データベースに基づいて、レトロスペクティブコホート研究を行った。対象は、2001~12年に新規に統合失調症と診断された15~45歳の患者。アウトカムは、統合失調症診断後の自傷行為または原因不明の傷害による最初の入院とした。抗精神病薬の服薬状況は、時間依存性変数としてモデル化された。規定された1日投与量(defined daily dose:DDD)に基づく抗精神病薬の投与量により層別化し、分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・50万355患者年の追跡調査の結果、7万380例から2,272件の自傷行為による入院エピソードが抽出された。 ・DDDまたはそれ以上の用量での第2世代抗精神病薬(amisulpride、アリピプラゾール、クロザピン、リスペリドン、スルピリド)の使用は、未使用患者と比較し、自傷行為による入院リスクの低下と関連が認められ、中でもクロザピンが最も強い効果を示した(調整率比:0.26、95%CI:0.15~0.47)。 著者らは「自傷行為に対する保護効果は、抗精神病薬の種類により異なる可能性がある。本知見を再現するためには、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 統合失調症患者の「自傷行為」に関連する予測因子 統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較 統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ma CH, et al. Acta Psychiatr Scand. 2018 Feb 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 スルピリドをいま一度評価する 医療一般(2014/05/16) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 2型DMの血糖コントロールなど、予測モデルによる治療最適化で改善/Lancet(2025/03/10) 切除不能進行胃がん1次治療、sugemalimab追加でOS・PFS改善(GEMSTONE-303)/JAMA(2025/03/10) TTF-1陰性Non-Sq NSCLCに対するアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(LOGIK2102)/日本臨床腫瘍学会(2025/03/10) 統合失調症の認知機能改善に対するメトホルミンの有用性(2025/03/10) EBウイルスが腎移植後のリンパ増殖性疾患に関与(2025/03/10) うつ病歴は慢性疾患の発症を早める(2025/03/10) 症状を電子的に報告するシステムががん患者の症状管理やQOLを改善(2025/03/10) 「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?(2025/03/10) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)