新たなVEGF阻害薬fruquintinibによるNSCLC3次治療の評価/JCO

提供元:ケアネット

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公開日:2018/04/05

 

 進化が進む進行非小細胞肺がん(NSCLC)治療だが、3次以降の全身療法は、いまだ課題が残る。キナーゼ阻害薬fruquintinibは、VEGFを標的とした薬剤である。この新たなVEGF阻害薬fruquintinibの進行NSCLCの3次治療における効果と安全性を評価した、第II相試験の結果が、Journal of Clinical Oncology誌で発表された。

 この試験は中国・上海交通大学による、多施設無作為化二重盲検試験。
・12施設で登録された患者に、fruquintinib(5mg/日)またはプラセボを、ベストサポーティブケアと共に、4週間(3週投薬1週休薬)/サイクルで投与した。
・主要評価項目は、盲検独立中央委員会(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は治験担当医評価によるPFS、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(BCR)など。

 主な結果は以下のとおり。

・患者はfruquintinib群61例、プラセボ群30例に2対1で割り付けられた。
・BICRと治験担当医評価によるfruquintinib群のPFS中央値は3.8ヵ月であった(HR:0,34、95%CI:0.20~0.57、p<0.001)。
・3ヵ月生存(OS)率はfuquintinib群90.2%、プラセボ群73.3%。6ヵ月OS率はfuquintinib群67.2%、プラセボ群58.8%であった。
・ORRはfuquintinib群13.1%、プラセボ群0%であった。
・DCRはfuquintinib群60.7%、プラセボ群13.3%であった。
・fuquintinibのGrade3以上の一般的な治療関連有害事象は、高血圧(8.2%)、手足症候群(4.9%)、蛋白尿(4.9%)であった。

(ケアネット 細田 雅之)