高齢者のうつ症状に対するアロマセラピーの効果 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/16 高齢者のうつ病は、中国における公衆衛生上の重大な問題である。中国・成都医学院のMei Xiong氏らは、地域住民高齢者の抑うつ症状に対する、8週間のアロマセラピーマッサージおよび吸入による介入の効果について比較を行った。Journal of alternative and complementary medicine誌オンライン版2018年3月22日号の報告。 本研究は、抑うつ症状を有する60歳以上の地域住民を対象とした、プロスペクティブランダム化比較試験として実施された。対象者は、ラテン方格で、アロマセラピーマッサージ群、吸入群、対照群(各20例)にランダムに割り付けられた。マッサージ群には、8週間のうちに2回/週、5mLのオイルを用いた30分間のアロマセラピーマッサージが行われた。このオイルは、1%の濃度に希釈されたスイートアーモンドオイルに、ラベンダー(Lavandula angustifolia)、スイートオレンジ(Citrus sinensis)、ベルガモット(Citrus bergamia)を2:1:1で配合したエッセンシャルオイル50μL(1滴)を混ぜ合わせたものであった。吸入群には、8週間のうちに2回/週、10mLの精製水と混ぜ合わせた50μLのエッセンシャルオイルの鼻腔吸入が30分間行われた。対照群には、介入は行われなかった。すべての群において、試験開始前と終了時、フォローアップ6週目および10週目に、効果を評価するため、老年期うつ病評価尺度簡易版(GDS-SF)と健康アンケート(PHQ-9)を用いた。5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)濃度を、試験開始前および終了時に評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・介入後、マッサージ群および吸入群は、対照群と比較し、GDS-SF、PHQ-9が有意に低かった。 ・試験前と比較し、マッサージ群および吸入群における抑うつ症状のGDS-SF、PHQ-9スコアは、試験終了時(8週間後)、フォローアップ6週目(14週間後)および10週目(18週間後)において低いままであった。 ・対照群におけるGDS-SF、PHQ-9スコアは、4つすべての時点において、差は認められなかった。 ・マッサージ群および吸入群における試験終了時の5-HT濃度は、開始前の値より増加していた。 著者らは「アロマセラピーマッサージおよび吸入による介入は、高齢者のうつ病に対し、重要な影響を及ぼす可能性がある」としている。 ■関連記事 認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか 不眠症への指圧効果 うつ病への呼吸リラクゼーション併用療法 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Xiong M, et al. J Altern Complement Med. 2018 Mar 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)