CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、日本人統合失調症患者における、ブレクスピプラゾールの長期安全性、忍容性、治療効果の維持に関して評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年3月26日号の報告。
本研究は、52週間のオープンラベルフレキシブルドーズ(1~4mg/日)研究である。対象は、短期ランダム化プラセボ対照固定用量(1,2,4mg/日)試験および他の抗精神病薬から切り替えを行った新規患者を含む統合失調症患者。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者282例(短期試験98例、新規患者184例)に対し、52週間のブレクスピプラゾール治療を開始し、150例(53.2%)が評価を完了した。
・治療中に発現した有害事象(TEAE)は281例中235例(83.6%)で認められた。全患者の10%以上で報告されたTEAEは、鼻咽頭炎(23.1%)、統合失調症症状の悪化(22.4%)であった。
・試験中に認められたTEAEの多くは、軽度~中等度であり、死亡例はなかった。臨床検査値、バイタルサイン、心電図パラメータにおける臨床的に有意な平均変化も認められなかった。
・PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)およびCGI-S(臨床全般印象・重症度尺度)平均スコアは、52週目まで安定したままであった。
著者らは「ブレクスピプラゾールは、日本人統合失調症患者の長期治療において、一般的に安全であり、忍容性が高く、治療効果が維持された」としている。
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(鷹野 敦夫)