アトピー性皮膚炎に初の抗体医薬品発売

提供元:ケアネット

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公開日:2018/04/27

 

 サノフィ株式会社は、2018年4月23日、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とした、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤デュピルマブ(商品名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)を発売した。アトピー性皮膚炎治療薬として、初めての抗体医薬品である。

 デュピルマブは、IL-4受容体αサブユニット(IL-4Rα)に特異的に結合し、Th2サイトカインであるIL-4およびIL-13の両シグナル伝達を阻害する、遺伝子組換えヒト型モノクローナル抗体である。臨床試験では、ステロイド外用薬の効果が不十分な中等~重症の成人アトピー性皮膚炎患者を対象に、ステロイド外用薬との併用療法または単独療法で、有効性と安全性が確認された。

 アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする慢性炎症性疾患である。中等~重症例では、広範な発疹を特徴とし、持続する激しい難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮、毛細血管出血を伴うことがある。かゆみは、患者にとって最も大きな負担であり、体力消耗、睡眠障害、不安や抑うつ症状の原因ともなり、生活の質に影響を及ぼす。デュピルマブは、既存の抗炎症外用薬で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者への、新たな選択肢として期待されている。

 デュピルマブは、安全装置付きプレフィルド・シリンジで、自己注射可能な1回使いきりの製剤。初回は600mg(2キット)、2回目以降は300mgを2週間隔で皮下注射する。薬価は8万1,640円。

 原則として、抗炎症・保湿外用薬と併用で使用する。他のアレルギー性疾患を併発している場合、症状が急変する恐れがあるので、注意が必要となる。

 現在、コントロール不良の気管支喘息に対する適応の追加申請中。

■参考
サノフィ株式会社 プレスリリース(PDFがダウンロードされます)

(ケアネット 堀間 莉穂)