オンライン上に医療情報が普及するにつれて、患者のオンラインの情報源へのアクセスと経験を踏まえることが重要となる。米国・ミシガン大学のPaula Anne Newman-Casey氏らの調査によれば、より若く、アドヒアランス不良な患者は、医師のアドバイスなしで緑内障の情報源をオンラインで検索するものの、その内容にしばしば満足感が得られないようである。著者は、「医師が疾患の自己管理指導の提供を推奨するうえで、質の高い緑内障のオンライン情報源が作成されるべきである」とまとめている。Telemedicine and e-Health誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。
研究グループは、緑内障患者のオンライン利用技術に違いがあるかどうか、また、アドヒアランスがオンライン教育の経験と関連するかどうか調査を行った。緑内障治療薬を1種以上使用する成人緑内障患者164例を対象に、人口統計や患者背景、Morisky Adherence Scaleの調査を完了し、緑内障の情報源にオンラインを利用するかアンケートを実施した。
オンライン情報へのアクセス、アドヒアランスおよび年齢の相違を、カイ2乗検定、フィッシャーの正確確率検定および2標本t検定で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・調査対象者の平均年齢は、66歳であった。
・26%は、アドヒアランスが不良であった。
・80%は、オンライン情報へのアクセスが良好であった。
・73%のアクセス能力が高い患者は、緑内障の情報をオンラインで希望したが、医師からオンライン情報源に誘導されていたのはわずか14%であった。
・アクセス能力とアドヒアランスに、関連性は認められなかった(p=0.51)。
・アドヒアランス不良の患者は、アドヒアランス良好の患者より若かった(平均年齢58歳 vs.66歳、p=0.002)。
・アドヒアランス不良の患者には、オンライン検索に対してネガティブな感情が認められた(68% vs.42%、p=0.06)。
(ケアネット)