抗精神病薬治療6週間以上の統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関係 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/06/25 横断的および縦断的研究により、統合失調症における、広範な灰白質量(GMV)の減少(とくに前頭葉)が報告されている。中国・北京大学第6病院のXiao Zhang氏らは、統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関連について検討を行った。Neuroscience bulletin誌オンライン版2018年5月19日号の報告。 対象は、統合失調症患者40例と、年齢、性別、教育をマッチさせた健康な対照31例。ベースラインおよび6週間後に、MRIスキャン、臨床評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・6週間のフォローアップ期間中に、患者群において内側前頭皮質吻側(rMFC、前帯状皮質を含む)における進行性GMV減少を確認した。 ・rMFCにおけるベースラインGMVが高いほど、PANSSの陽性症状尺度の良好な改善が予測され、これは実際のモニタリングにおける改善と関連している可能性がある。 ・さらに、後側rMFCにおけるベースラインGMVが高いほど、全般症状の良好な寛解が予測され、この領域におけるGMV低下が少ないことは陰性症状のより良い寛解と相関しており、おそらくは改善された自己参照処理や社会的認知と関連している。 ・また、より短い罹病期間および高い教育水準は、PANSSの総合精神病理評価尺度のより良い改善に寄与し、家族歴はPANSSの陰性症状尺度および総スコアと負の関連が認められた。 著者らは「これらの現象は、統合失調症の症状の根底にある神経病理学的メカニズムを理解し、臨床決定を行ううえで重要であると考えられる」としている。 ■関連記事 統合失調症、大脳皮質下領域の新発見:東京大学 統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs. アリピプラゾール 統合失調症と自閉スペクトラム症における白質代謝率の増加 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhang X, et al. Neurosci Bull. 2018 May 19. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 対話型テキストメッセージの禁煙介入、青少年の禁煙率を上昇/JAMA(2024/08/16) AI搭載超音波デバイス、妊娠週数を正確に推定/JAMA(2024/08/16) 肝細胞がん患者、半数が「治療が仕事に影響」、休職・退職も/AZ(2024/08/16) 国内での小児の新型コロナ感染後の死亡、経過や主な死因は?(2024/08/16) 糖質摂取と認知症リスク〜前向きコホート研究(2024/08/16) 犬は人間のストレスのにおいを感じ取り、行動を選ぶ(2024/08/16) 入院中の移動能力の変化が大腿骨近位部骨折リスクと関連(2024/08/16) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)