ナースプラクティショナー(NP)やフィジシャンアシスタント(PA)といった高度実践医療従事者(Advanced Practice Professional:APP)は、数多くの多様な皮膚科的処置や手術を独立して行っているが、その件数や範囲が年々どのように変化しているかは、ほとんど知られていない。米国・Summa Akron City HospitalのMyron Zhang氏らは、メディケアのデータを解析し、APPが実施した皮膚科的処置や手術の件数が2012年から2015年にかけて経時的に増加しており、範囲も拡大していることを明らかにした。著者は、「年々増加傾向のAPPによる皮膚科的処置および手術の件数や範囲が、患者の予後とどのように関連しているか、またより正式な訓練が必要かどうかを明らかにするために、さらなる研究が望まれる」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年7月11日号掲載の報告。
研究グループは、APPが請求した皮膚科的処置や手術の範囲と件数の傾向を調べる目的で、2012~15年のMedicare Provider Utilization and Payment Data:Physician and Other Supplier Public Use Fileを用い、縦断研究を行った。これは、米国のほぼすべての外来処置や手術におけるMedicare Part Bの支払いデータと、クリニック内の処置や手術の支払いデータを含んでいる。
皮膚科的処置や手術のタイプ別に、APPおよび皮膚科医によって実施された件数を各年でそれぞれ算出した。
主な結果は以下のとおり。
・2012年におけるすべての皮膚科的処置や手術の総数は3,070万件で、このうちAPPによって実施されたのは269万件(8.8%)であった。さらに、2015年では総数3,390万件のうち、454万件(13.4%)に増加した。
・2015年にAPPによって実施された皮膚科的処置や手術で最も多かったのは良性腫瘍の摘出(360万件)で、次いで生検(78万8,834件)、悪性腫瘍の摘出(4万8,982件)の順であった。
・APPによるパッチテストなどの処置や良性および悪性腫瘍の切除、中程度および複雑な修復、皮弁、ならびに手術標本組織診断の実施数も、2012年から2015年にかけて毎年増加していた。
(ケアネット)