ゾルピデム処方と自動車事故リスク 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/08/14 ゾルピデムは世界で最も使用頻度の高い睡眠薬の1つであるが、自動車事故などの深刻な問題を伴う可能性が報告されている。韓国・ソウル大学病院のBo Ram Yang氏らは、自動車事故の状況を考慮したうえで、ゾルピデムの処方と致死的な自動車事故との関連について評価を行った。CNS Drugs誌2018年6月号の報告。 韓国道路交通公団より得られた2010~14年の致死的な自動車事故に関するデータと健康保険データを結び付け、ケース・クロスオーバー研究を実施した。ケース期間は、致死的な自動車事故の前日と定義し、90日間隔で4つのコントロール期間をマッチさせた。条件付きロジスティック回帰分析を用いて、ゾルピデム処方に関連する致死的な自動車事故のオッズ比を算出し、オッズ比は、交絡薬物の経時的処方で調整を行った。年齢層(65歳未満または65歳以上)、チャールソン併存疾患指数(Charlson Comorbidity Index)、新規ゾルピデム処方について層別分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・対象者714例において、前日のゾルピデム処方に関連する致死的な自動車事故の調整オッズ比は、1.48(95%CI:1.06~2.07)であった。 ・層別分析においてオッズ比が有意に増加したのは、チャールソン併存疾患指数が高い(オッズ比:1.81、95%CI:1.16~2.84)、65歳未満(オッズ比:1.62、95%CI:1.03~2.56)、新規ゾルピデム処方(オッズ比:2.37、95%CI:1.40~4.00)であった。 著者らは「本研究では、前日のゾルピデム処方は、致死的な自動車事故リスクの有意な増加と関連していた」としている。 ■関連記事 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか 自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうか 車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yang BR, et al. CNS Drugs. 2018;32:593-600. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 低用量ゾルピデム舌下錠、不眠症患者における中途覚醒後の入眠潜時を短縮 比較(2013/02/18) 女性へのゾルピデム使用リスク 医療一般(2019/05/08) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心臓以外の大手術前のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬使用継続は少なくとも予後や合併症に悪影響は与えない(解説:浦信行氏)(2024/11/04) 患者数が5年で5倍!心不全診療で取りこぼせない疾患とは/日本心臓病学会(2024/11/04) レトロウイルス感染症-基礎研究・治療ストラテジーの最前線-/日本血液学会(2024/11/04) せん妄で認知症リスク5倍~日本の入院患者26万例のデータ(2024/11/04) 飛行機内でインスリンポンプに軽微な影響が生じる可能性(2024/11/04) 禁煙開始が「遅すぎる」ことはない(2024/11/04) 敗血症患者の半数は2年以内に死亡する(2024/11/04) 肝細胞がんにおけるICI療法後の肝移植の転帰は良好(2024/11/04) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09)