未治療の進行EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)におけるオシメルチニブの第III相FLAURA試験の事前に予定された探索的研究において、オシメルチニブのCNS病変に対する有効性が報告された。この結果は昨年(2017年)のESMO-ASIAで発表されたのち、Journal of Clinical Oncology誌2018年8月28日号に掲載された。
・対象:独立盲検中央判定によるベースラインスキャンでCNS病変(1つ以上の測定可能または/および測定不能)が認められたEGFR変異NSCLC患者
・試験薬:オシメルチニブ 80mg/日
・対照薬:標準的なEGFR-TKI(ゲフィチニブ250mg/日またはエルロチニブ150mg/日)
・主要評価項目:ベースラインスキャンでCNS病変が認められた患者におけるCNS無増悪生存期間(CNS PFS)
主な結果は以下のとおり。
・FLAURA試験(556例)のなかで、ベースラインの脳スキャンデータを有する200例のうち、128例の患者がCNS病変を有していた。
・上記の128例の内訳は、オシメルチニブ群61例、標準的EGFR-TKI群67例であった。
・測定可能なCNS病変患者は41例(オシメルチニブ22例、標準的EGFR-TKI群19例)、測定不能なCNS病変患者は87例(オシメルチニブ39例、標準的EGFR-TKI群48例)であった。
・CNS病変患者全体のCNS PFS中央値は、オシメルチニブ群は未到達(95%CI:16.5ヵ月~NC)、標準的EGFR-TKI群では13.9ヵ月(95%CI:8.3~NC)と、オシメルチニブ群で有意に良好であった(HR:0.48、95%CI:0.26~0.86、p=0.014)。
・CNS病変患者全体のCNS客観的奏効率(CNS ORR)は、オシメルチニブ群66%、標準的EGFR-TKI群43%であった(OR:2.5、95%CI:1.2~5.2、p=0.011)、測定可能なCNS病変患者のCNS ORRは、オシメルチニブ群91%、標準的EGFR-TKI群68%であった(OR:4.6、95%CI:0.9〜34.9、p=0.066)。
・CNS病勢進行イベントは、標準的EGFR-TKI群に比べ、オシメルチニブ群で一貫して低かった。
未治療のEGFR変異NSCLCにおいて、オシメルチニブは標準的なEGFR-TKIに対してCNSへの有効性、CNS病変の進行リスクの低下を示した。
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(ケアネット 細田 雅之)