治療抵抗性うつ病に対する精神療法の有効性に関するメタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/02 大うつ病に対する治療および管理は、大幅な進歩を遂げた。しかし、第1選択の抗うつ薬治療または心理社会療法で治療反応が得られる患者は、50%未満である。治療抵抗性うつ病(TRD)に対する精神療法に関する対照研究数が増加し、うつ病患者に対する精神療法が、治療選択肢として好まれている現状を考慮し、オランダ・マーストリヒト大学のSuzanne van Bronswijk氏らは、TRDに対する精神療法の有効性を調査するため、メタ解析およびメタ回帰分析を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2018年8月24日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・合計25の比較を含む21件の研究において、7種類の精神療法に関する検討が行われていた。 ・精神療法と通常治療を比べた3つの比較では、通常治療(TAU)と精神療法との間に有意なベネフィットは認められなかった。 ・併用治療(TAU+精神療法)とTAUとを比べた22の比較では、併用治療において、エフェクトサイズ0.42(95%CI:0.29~0.54)の中程度の効果が認められた。 ・メタ回帰分析では、集団療法vs.個人療法と同様に、ベースライン時の重症度と治療効果に正の関連が認められた。 ・出版バイアスは、認められなかった。 ・最も調査が行われていた治療は、認知行動療法、対人関係療法、マインドフルネスに基づく認知療法、精神療法の認知行動分析システムであった。 著者らは「TRDの治療ガイドラインにおいて、通常治療に対して、薬理学的および神経刺激的治療に加えて精神療法を追加することは正当であり、治療困難なうつ病患者により良い影響を及ぼすと考えられる」としている。 ■関連記事 SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法 日本人治療抵抗性うつ病患者へのCBT併用試験とは:FLATT Project 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら van Bronswijk S, et al. Psychol Med. 2018 Aug 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet(2024/12/31) 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、グセルクマブは有効かつ安全/Lancet(2024/12/31) おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)(2024/12/31) 糖尿病性腎症、コーヒーによるリスク減は摂取時間が重要(2024/12/31) アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか(2024/12/31) 高齢者への2価RSVワクチン、入院/救急外来受診リスクを低減(2024/12/31) ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的(2024/12/31) 糖尿病予備群が大動脈弁狭窄症を引き起こす(2024/12/31) スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究(2024/12/31) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)