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SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/23 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)に反応しないうつ病患者におけるアリピプラゾールとbupropion増強療法の有効性および安全性を、韓国・嶺南大学のEun-Jin Cheon氏らが比較検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年4月号の報告。 アリピプラゾールとbupropion増強療法の初めての無作為化プロスペクティブオープンラベル直接比較研究。対象者は、4週間以上のSSRI治療後に中等度以上のうつ症状を有する患者103例。アリピプラゾール群(56例)またはbupropion群(47例)に無作為に割り付け、6週間治療を行った。その間、他の向精神薬の併用は行わなかった。モントゴメリー・アスベルグのうつ病評価尺度(MADRS)、ハミルトンうつ病評価尺度17項目版(HAM-D17)、Iowa Fatigue Scale(IFS)、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)、Psychotropic-Related Sexual Dysfunction Questionnaire scoresを、ベースラインおよび治療1、2、4、6週間後に評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・全体として、両群ともに重篤な有害事象を起こすことなく、抑うつ症状を改善した。 ・MADRS、HAM-D17、IFS、レスポンス率に有意な差は認められなかった。 ・しかし、アリピプラゾール群は、bupropion群と比較し、6週間後の寛解率が有意に高かった(55.4% vs.34.0%、p=0.031)。 ・性的有害事象、錐体外路症状、アカシジアの発生率は、両群間で有意な差が認められなかった。 著者らは「SSRIで治療不十分なうつ病患者に対するアリピプラゾール増強療法の有効性と忍容性は、bupropion増強療法と同等以上であった。両増強療法共に、うつ病患者の性機能障害や倦怠感を軽減する可能性があり、効果的かつ安全な増強療法である。本知見を確認するためにも、二重盲検による研究が必要である」としている。 ■関連記事 うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs. リスペリドン (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cheon EJ, et al. J Clin Psychopharmacol. 2017;37:193-199. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 疫学(危険因子)(2013/01/31) 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証 医療一般(2016/03/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 動機付け面接などの行動介入で、身体活動は増える?97試験のメタ解析/BMJ(2024/07/19) ニルセビマブ、乳児のRSV感染症入院リスクを83%減少/NEJM(2024/07/19) 局所進行食道がんに対する術前補助療法として3剤併用化学療法が標準治療となるか?(解説:上村直実氏)(2024/07/19) 蕁麻疹の診断後1年、がん罹患リスク49%増(2024/07/19) 日本のリアルワールドデータから考える高リスクmHNPCの治療選択(J-ROCK)(2024/07/19) 小児・青年に対する抗精神病薬の生理学的影響の比較〜ネットワークメタ解析(2024/07/19) 片頭痛の予防薬は薬物乱用頭痛も減らす?(2024/07/19) オーラルフレイルは死亡リスクと独立して関連(2024/07/19) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)