治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/31 欧州リサーチコンソーシアムの治療抵抗性うつ病研究グループ(GSRD)による治療抵抗性うつ病(TRD)の早期発見と、TRDにおける治療アウトカムのクロスサンプルを予測するため、欧州各地より募集されたTRD-IIIサンプルにおける臨床的変数を、オーストリア・ウィーン医科大学のA. Kautzky氏らが調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年10月5日号の報告。 TRDの定義は、2つ以上の抗うつ薬試験後にMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアが22点以上とした。治療反応の定義は、MADRSスコア50%以上の低下および閾値が22点未満とした。TRDの予測因子は、916例の患者を対象に、16の臨床的変数について、ロジスティック回帰を用いて分析を行った。治療アウトカムの予測は、Elastic net回帰分析を用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・TRDリスク増加の予測因子は、以下のとおりであった。 ●症状重症度(OR:3.31) ●精神症状(OR:2.52) ●自殺リスク(OR:1.74) ●全般性不安障害(OR:1.68) ●入院患者の状況(OR:1.65) ●過去に投与された抗うつ薬数の多さ(OR:1.23) ●生涯うつ病エピソード(OR:1.15) ●現在のエピソード期間の長さ(OR:1.022) ・TRDの予測精度は、独立した検証セットであるTRD-Iにおいて、0.86であった。 著者らは「TRDの最も顕著なリスク因子は、症状重症度、自殺リスク、生涯うつ病エピソード数の多さ、不安障害の併発であった。TRD-IIIにおける有意な予測因子は、以前の研究であるTRD-Iにおける治療アウトカムの予測を許容していた」としている。 ■関連記事 治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kautzky A, et al. Acta Psychiatr Scand. 2018 Oct 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)