EGFR-TKIゲフィチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法は、ADJVANT試験において、PFSの有意な延長が報告された。CTONG-1103試験は、のStageIII-N2 EGFR変異陽性NSCLCの術前補助療法において、エルロチニブ単剤とゲムシタビン+シスプラチン(GC)を比較したオープンラベル無作為化比較第II相試験である。ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、その結果が発表された。
・対象:未治療のStageIIIA-N2 EGFR変異陽性NSCLC
・試験群:エルロチニブ150㎎/日42日、(手術)、術後エルロチニブ150㎎/日12ヵ月
・対象群:ゲムシタビン+シスプラチン3週ごと2サイクル、(手術)、術後ゲムシタビン+シスプラチン 3週ごと2サイクル
・評価項目:[主要項目]全奏効率(ORR)[副次項目]リンパ節の病理学的ダウンステージ、病理的完全奏効(pCR)、無増悪税損期間(PFS)、3年・5年全生存(OS)率、安全性・忍容性
主な結果は以下のとおり。
・72例が、無作為にエルロチニブ群に37例、GC群に35例に割り付けられた。
・ORRは、エルロチニブ群54.1%、GC群34.3%であった(p=0.092)。
・手術実施率は、エルロチニブ群83.8%、GC群68.6%であった(p=0.129)
・リンパ節ダウンステージは、エルロチニブ群10.8%、GC群2.9%であった(p=0.185)。
・pCRは、両群ともにみられなかったが、MPR(Major Pathologic Response)は、エルロチニブ群10.7%、GC群0%であった。
・PFSは、エルロチニブ群21.5ヵ月、GC群11.9ヵ月、と、エルロチニブ群で有意に良好であった(HR:0.42、p=0.003)。
・有害事象については、既報と同様であった。
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(ケアネット 細田 雅之)