双極性障害に合併する境界性パーソナリティ障害の特徴~米国調査

提供元:ケアネット

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公開日:2019/02/06

 

 双極性障害患者における精神科入院や自殺リスク増加を含むQOLや疾患アウトカムには、境界性パーソナリティ障害(BPD)の合併が影響を及ぼすといわれている。米国・Griffin Memorial HospitalのRikinkumar S. Patel氏らは、双極性障害患者の入院アウトカムに対するBPDの影響について、検討を行った。Medicina誌2019年1月14日号の報告。

 米国の病院からの入院患者サンプル(Nationwide Inpatient Sample)より、ICD-9-CMを使用し、BPD合併双極性障害患者26万8,232例および双極性障害のみの対照群24万2,379例を抽出した。オッズ比(OR)の生成および入院アウトカムの評価のために、多項ロジスティック回帰を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・BPD合併双極性障害患者は、大部分が女性(84.2%)、白人(83.1%)、18~35歳(53.9%)であった。
・BPD合併双極性障害患者では、入院期間の長さ、入院費用の高さ、薬物乱用率の高さにおいて、有意な差が認められた。
・BPD合併双極性障害患者では、自殺リスクも高かった(OR:1.418、95%CI:1.384~1.454、p<0.001)。
・BPD合併双極性障害患者では、電気けいれん療法(ECT)の使用が有意に多かった(OR:1.442、95%CI:1.373~1.515、p<0.001)。

 著者らは「双極性障害にBPDを合併すると、入院期間の延長、入院費用の上昇、自殺リスクの増加、ECTの使用による急性期入院医療の高さと関連が認められた。入院環境におけるさらなる研究は、BPD合併双極性障害患者における最適なアウトカムや自殺リスクの低下のための効果的な臨床戦略を作成するうえで重要である」としている。

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(鷹野 敦夫)