境界性パーソナリティ障害併発、自殺に対する影響は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/29 最近の研究によると、精神病的体験と自殺行動との間には強い関連があることが報告されている。しかし、境界性パーソナリティ障害(BPD)は一般的な精神疾患と頻繁に併発し、再発の自殺行動や精神病的体験に関連しているにもかかわらず、この関係におけるBPDの役割について研究したデータはない。アイルランド王立外科医学院のI Kelleher氏らは、BPDや一般的な精神疾患との相互関係を含む、精神病的体験と自殺企図との関連を調査した。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年3月号の報告。 2007年の層別化されたイギリス世帯の多段確立サンプルである成人精神医学的罹患率調査より、16歳以上の国民サンプルを用いて行った。対象者の、一般的な精神疾患、BPD(臨床的および無症候)、自殺行動、精神病的体験を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・全サンプルの約4%(323例)が精神病的体験を有していた。 ・精神病的体験は、自殺企図のオッズ増加と関連していた。 ●BPD(OR:2.23、95%CI:1.03~4.85) ●一般的な精神疾患あり(OR:2.47、95%CI:1.37~4.43) ●一般的な精神疾患なし(OR:3.99、95%CI:2.47~6.43) ●BPD、一般的な精神疾患どちらもなし(OR:3.20、95%CI:1.71~5.98) 著者らは「精神病的体験は、精神病理の有無にかかわらず、自殺行動の高オッズと関連していた。この関係は、臨床的または無症候BPDでは説明できない」としている。 関連医療ニュース 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 自殺企図後も生き続けるためのプロセス 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kelleher I, et al. Acta Psychiatr Scand. 2017;135:212-218. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 境界性パーソナリティ障害でみられる幻覚の正体は 医療一般(2014/08/08) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)