職業レベルの高さとうつ病治療への反応率との関係 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/20 うつ病は、就業における問題を引き起こす主な原因となる。職業的問題がうつ病の発症を促進し、回復プロセスを妨げる可能性があることを示唆するエビデンスも報告されている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、以前の研究において、職業レベルが高い人ほど、うつ病治療後の転帰が悪化することを報告している。今回著者らは、うつ病患者の独立したサンプルを用いて、職業レベルとうつ病治療に対する治療反応についてさらなる調査を行った。European Neuropsychopharmacology誌オンライン版2019年1月28日号の報告。 1回以上の適切な治療試験後、うつ病治療に対する治療反応や治療抵抗性を評価されたうつ病患者の独立したサンプルより抽出した、安定して就業している患者647例を対象とした。3つの職業カテゴリから管理職、ホワイトカラー、ブルーカラーおよび自営業別に検討を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・管理職は、治療非反応率が最も高く、治療抵抗性を示した。 ・同様に、ホワイトカラーは、治療非反応率、治療抵抗率が高かった。 ・ブルーカラーは、治療非反応率および治療抵抗率が有意に低かった。 ・自営業者は、ホワイトカラーとブルーカラーの中間で、他の職業カテゴリとの違いは、ほとんど認められなかった。 著者らは「本追試の知見は、以前の研究結果を支持するものであった。中高レベルで雇用されているうつ病患者は、うつ病の標準治療後の転帰が、好ましくない可能性がある。職場における労働ストレスおよびその他の心理社会的要因について、うつ病の治療成績と関連させ、より綿密に調査すべきである」としている。 ■関連記事 職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか 職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大 仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mandelli L, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2019 Jan 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 うつ病リスクは旅行をしないと高くなる?高齢者の旅行とうつ病との関係 医療一般(2022/08/25) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09)