うつ病や不安症状の治療に対し、ネガティブな感情を減少させるための介入が求められており、お笑いやユーモアを用いた介入(お笑い介入)は、安全かつ便利で、患者と医療従事者との関係を良好に保つことが期待される介入方法である。成人のうつ病、不安および睡眠の質に対するお笑い介入の効果を定量化するため、中国・吉林大学のJinping Zhao氏らが検討を行った。Journal of Advanced Nursing誌オンライン版2019年3月18日号の報告。
ランダム化比較試験のメタ解析を実施し、2018年12月までの研究を各種データベース(PubMed、Embase、PsycINFO、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Chinese National Knowledge Infrastructure、Weipu、Wanfang Data)より検索した。Cochrane Collaborationガイドラインに従って、メタ解析レビューを実施した。研究の選択、データ抽出、バイアスリスク(Cochrane Collaborationバイアスリスク評価ツール)の評価は、独立した2人のレビューアにより実施した。
主な結果は以下のとおり。
・10研究より、814例が抽出された。
・メタ解析では、お笑い介入が成人のうつ病、不安を有意に減少させ、睡眠の質を改善することが示唆された。
・サブグループ解析では、長期的なお笑い介入は、うつ病患者により多くのベネフィットをもたらすことが示唆された。
著者らは「お笑い介入は、成人のうつ病や不安を軽減し、睡眠の質の改善に有効であることが明らかとなった。今後は、質の高いフォローアップ評価を行うために、さらなる研究が求められる」としている。
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(鷹野 敦夫)