どれほどのがん患者が疼痛、疲労、精神的苦痛を有し、またそれらに対するケアは行われているのか。米国・がん協会のTenbroeck G. Smith氏らは、地域のがんセンターで治療を受けている患者を対象に、それらの有症率などを調査した。その結果、30~50%のがん患者が、疼痛、疲労および精神的苦痛について、話し合ったり、アドバイスを受けたり、期待した支援を受けたことがないと回答したという。著者は、「これら3つのがん関連症状の管理に関して改善の余地がある」と述べたうえで、それぞれの症状の有症率の高さについても「重要と思われる」と指摘している。Journal of Clinical Oncology誌2019年7月1日号掲載の報告。
研究グループは、米国のCommission on Cancer認定がんセンター17施設から、local/regional乳がん(82%)または大腸がん(18%)の患者を抽出してアンケート調査を行い、2,487例の回答を得た(回答率61%)。
主な結果は以下のとおり。
・疼痛、疲労および苦痛について、臨床医と話し合ったと報告した患者の割合はそれぞれ76%、78%および58%、アドバイスをもらったと報告した患者の割合はそれぞれ70%、61%および54%であった。
・疼痛、疲労および苦痛を経験した患者の割合は、それぞれ61%、74%および46%であった。
・疼痛、疲労および苦痛を経験した患者の中で、支援を得たと報告した患者はそれぞれ58%、40%および45%であった。
・根治的治療を受けている(または最近治療が完了した)患者は、根治的治療から時間が経った患者に比べ、症状に対する良好なケアを受けていると回答した。
(ケアネット)