進行期非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、プラチナベース化学療法はいまだ大きな柱である。実臨床においてはシスプラチンとカルボプラチンの2つのプラチナ製剤が多く使われる。すでに、Cohchraneグループによるカルボプラチンとシスプラチンベースの化学療法を比較するメタアナリシスが行われているが、NSCLCにおける急速な治療の変化と拡大する臨床試験の中、新たなデータの反映が求められていた。そのような中、ドイツのGriesingerらは、2013年〜2018年1月に発表されたNSCLC1次治療におけるカルボプラチンとシスプラチンの無作為化比較試験のシステマチックリサーチを⾏い、解析結果を更新した。評価項⽬は全⽣存期間(OS)、1年⽣存率(1yOS)、客観的奏効率(ORR)、Grade3/4の薬物関連有害事象など。Lung Cancer誌2019年9⽉号掲載の報告。
肺がん2剤併用療法、プラチナ製剤はシスプラチンがカルボプラチンよりORRわずかに良好
進行期非小細胞肺がんの1次治療の2剤併用療法において、プラチナ製剤をカルボプラチンとシスプラチンで比較した主な結果は以下のとおり。
・適格となった無作為化⽐較試験は12、患者数は2,048例であった。
・OSはカルボプラチンとシスプラチン両群で差はなかった(HR:1.08、95%CI:0.96~1.21)。
・1yOSも両群で差がなかった(RR:0.97、95%CI:0.97~1.0)。
・ORRについては、シスプラチン群でわずかに良好であった(RR:0.88、95%CI:0.78~0.99)。
・薬物関連有害事象については、血小板減少、貧血、神経障害、悪心・嘔吐で両群に差異が発生した。
・HRQoLを比較した3つのRCTでは、両群に差は認められなかった。
(ケアネット 細田 雅之)