医学生においても喫煙は一般的であり、将来のキャリアで禁煙を促進する能力に影響を及ぼす可能性がある。フランス・エクス=マルセイユ大学のA. Bourbon氏らは、フランス医学生における喫煙状況を調査し、心理社会的要因や向精神薬使用とニコチン依存の重症度や日々の喫煙行動との関連について検討を行った。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年8月30日号の報告。
医学生の募集は、2016年12月13日~2017年5月15日にフランスの医科大学35校においてメーリングリストおよびソーシャルネットワークを通じて行った。日々の喫煙行動に関するアンケートは匿名で、インターネットを用いて収集した。重度のニコチン依存を、Fagerstromのニコチン依存度簡易テスト4以上と定義した。
主な結果は以下のとおり。
・アンケート回答者は、医学生1万985人(平均年齢:21.8±3.3歳、男性の割合:31.6%)。
・現在、毎日喫煙している医学生は、2,078人(18.9%)であり、重度のニコチン依存は59人(2.8%)で認められた。
・多変量解析では、喫煙は、抗不安薬使用、アルコール使用障害、大麻使用障害、経済的困難、性的および身体的暴行歴と独立して関連していた。
・重度のニコチン依存は、抗不安薬使用、大麻使用障害、家庭内暴力、身体的暴行、経済的困難と独立して関連していた。
著者らは「医学生のおよそ5人に1人は喫煙しており、職業的および個人的な要因と同様に、喫煙と抗不安薬の使用との関連が認められる」としている。
(鷹野 敦夫)