統合失調症に対するブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤の有効性と安全性

提供元:ケアネット

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公開日:2019/09/26

 

 ブロナンセリンは、統合失調症に適応を有する第2世代抗精神病薬である。藤田医科大学の岩田 仲生氏らは、急性増悪統合失調症患者におけるブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤の有効性、安全性、薬物動態について検討を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年8月27日号の報告。

 本試験は二重盲検多施設共同第III相臨床試験であり、1週間の観察期間中にプラセボの2つのテープ製剤を使用し、その後6週間の二重盲検期間を設け、患者を1日1回ブロナンセリン40mgテープ(40mg群)、80mgテープ(80mg群)またはプラセボテープ(プラセボ群)を貼付する群にランダムに割り付けた。主要エンドポイントは、PANSSスコアのベースラインからの変化量とした。安全性評価には、治療により発生した有害事象(TEAE)を含めた。

 主な結果は以下のとおり。

・2014年12月~2018年10月に患者を募集し、40mg群(196例)、80mg群(194例)、プラセボ群(190例)にランダムに割り付けた。そのうち77.2%が試験を完了した。
・ブロナンセリンでは、プラセボと比較し、6週間でPANSS合計スコアの有意な改善が認められた(対プラセボ最小二乗平均[LSM]差:40mg群-5.6[95%CI:-9.6~-1.6、調整p=0.007]、80mg群-10.4[95%CI:-14.4~-6.4、調整p<0.001])。
・ブロナンセリンの忍容性は良好であり、最も一般的なTEAEは、貼付部の紅斑、そう痒、アカシジア、振戦、不眠であった。

 著者らは「ブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤は、急性増悪統合失調症の症状を改善し、忍容性も許容可能であることが示された」としている。

(鷹野 敦夫)