小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月21日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」と「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」の効能又は効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得した。
食道がんに対する承認は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者を対象に実施した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(ATTRACTION-3試験)の結果に基づいている。同試験の結果、ニボルマブ群は、化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)で統計学的に有意な延長を示した。ニボルマブ群の生存ベネフィットは、PD-L1発現レベルにかかわらず認められた。また、同試験におけるニボルマブの安全性プロファイルは、これまでに報告された臨床試験のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
MSI-High結腸・直腸がんに対する承認は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、もしくは同治療法に忍容性がなかった再発または転移のあるMSI-Highまたはミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する結腸・直腸がん患者を対象に実施した多施設国際共同非盲検第II相臨床試験(CheckMate-142試験)のニボルマブ単剤コホートによる結果に基づいている。同試験でニボルマブは、主要評価項目である治験担当医師の評価による奏効率(ORR)において有効性を示した。同試験におけるオプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告された臨床試験のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
(ケアネット 細田 雅之)