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術後せん妄予防に対するメラトニンの効果~メタ解析

術後せん妄の予防に、メラトニンやその類似体が有効なのかは、よくわかっていない。中国・南方医科大学のYunyang Han氏らは、メラトニンやその類似体の術後せん妄に対する効果を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。Journal of Pineal Research誌オンライン版2020年3月7日号の報告。
PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、CINAHLデータベースより検索を行った。主要アウトカムは、術後せん妄発生率とした。
主な結果は以下のとおり。
・ランダム化比較試験6件、コホート研究2件、ケースコントロール研究1件をメタ解析に含めた。
・メラトニンおよびその類似体のラメルテオンは、成人のすべての手術集団において、術後せん妄の発生率を低下させることが示唆された(オッズ比[OR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.24~0.84、p=0.01)。
・高用量(5mg)メラトニン投与は、術後せん妄発生率の低下に効果的であった(OR:0.32、95%CI:0.20~0.52、p<0.00001)。
・手術前に消失半減期5回未満のメラトニン投与により、術後せん妄発生率が有意に減少した(OR:0.31、95%CI:0.19~0.49、p<0.00001)。
著者らは「現在の文献では、メラトニンやその類似体のラメルテオンは、術後せん妄の予防に有効であることが支持された。しかし、本結果は、研究の有意な異質性により制限を受ける可能性がある。心臓および非心臓手術におけるせん妄発生に対するメラトニンおよびその類似体の予防効果を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」としている。
(鷹野 敦夫)
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