COVID-19重症患者へ、ルキソリチニブによる臨床試験開始/ノバルティス

提供元:ケアネット

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公開日:2020/04/10

 

 2020年4月2日、ノバルティスファーマ株式会社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者のサイトカインストーム治療におけるルキソリチニブ(商品名:ジャカビ)投与の評価を目的とし、インサイト社と共同で行う第III相臨床試験計画について発表した。

 この試験では、 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によって重篤なCOVID-19肺炎を発症した患者において、 標準治療(SoC:Standard of Care)とルキソリチニブ+SoC併用療法を比較、評価する予定。

 サイトカインストームは重篤な免疫過剰反応の一種であり、COVID-19患者の呼吸障害の一因になりうる可能性がある。現在、非臨床エビデンスや予備的臨床エビデンスにおいて、 ルキソリチニブ投与によって集中治療や人工呼吸器を必要とする患者数を低減させる可能性が示唆されている。

 ルキソリチニブはJAK1およびJAK2を阻害する経口薬であり、日本では血液内科領域の疾患(骨髄線維症、真性多血症[既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る])治療薬として承認されている。

(ケアネット 土井 舞子)