米国の臨床検査用機器・診断薬メーカーであるオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスは4月25日、SARS-CoV-2の抗体検査試薬「ビトロスAnti-SARS-CoV-2 IgG 抗体検査試薬キット(COVID-19 IgG 抗体検査試薬)」がFDAによる緊急使用許可(Emergency Use Authorization:EUA)を取得したと発表した。
同社では、別の抗体検査試薬が4月14日にすでにEUAを取得している。1種類目の「ビトロス Anti-SARS-CoV-2 Total抗体検査試薬キット(COVID-19 Total抗体検査試薬)」は、感染初期の急性期に出現するIgM抗体を含むすべての抗体を検出し、免疫の獲得開始の判断への活用が期待される。今回EUA を取得した2種類目の COVID-19 IgG抗体検査試薬は、感染の後期に出現し、回復後も患者の血液中に存在するIgG抗体のみを検出する。
なお、これら2種類の抗体検査試薬の特異度は、同社がSARS-CoV-2非感染者400人を対象に行った試験で、400人が「陰性」となったことに基づき、ともに100%と発表されている。
これらの検査試薬は、同社の生化学免疫分析装置のビトロスXT 7600統合システムをはじめ、ビトロス3600免疫診断システム、ビトロス5600統合システム、ビトロスECi/ECiQ免疫診断システムで検査が可能。これらのシステムは米国全体では1,000を超える医療機関および医療関連機関で使用されている。
日本国内においては、同社の全自動検査機器を使用している医療機関および医療関連施設に、研究用試薬として5月下旬より順次提供予定で準備を進めている。
(ケアネット)