注意欠如多動症(ADHD)は、世界中の小児にみられる慢性的な精神疾患である。イラン・Shahid Sadughi University of Medical SciencesのElham Shareghfarid氏らは、小児の食事パターンとADHDとの関連について、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Clinical Nutrition ESPEN誌2020年4月号の報告。
Google Scholar、SCOPUS、ISI Web of science、PubMedなどのデータベースより2017年6月までの文献を検索し、ADHD児における食事パターンや食物摂取に関する研究を抽出した。達成された相対リスク(RR)およびオッズ比(OR)については、主な食事パターンのアドヒアランスの最大と最小を比較した。異質性は、コクランのQ検定およびI2検定により評価した。
主な結果は以下のとおり。
・本システマティックレビューには、6つの食事パターンおよび6種類の食品または栄養素の研究を含めた。
・6つの食事パターンの研究(8,816例)についてメタ解析を実施した。
・プール解析では、健康的な食事パターン(OR:0.63、95%CI:0.41~0.96)はADHDリスクの有意な減少を示した。一方、西洋食(OR:1.92、95%CI:1.13~3.26、p=0.016)およびジャンクフード(OR:1.51、95%CI:1.06~2.16、p=0.024)の食事パターンはADHDリスクを有意に増加させた。
著者らは「野菜、果物、豆類、魚を多く含む健康的な食事パターンは、ADHDの発症を37%低減させた。さらに、甘味料入りの飲料やデザートを含むジャンクフードおよび赤身肉、精製穀物、加工肉、硬化油などの西洋食の食事パターンは、ADHDリスクを増加させた」としている。
(鷹野 敦夫)