未治療の進行ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の無作為化第III相ALEX研究から、5年間の全生存期間(OS)データが、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、Solange Peters氏より報告された。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値はALC群48.2ヵ月、CRZ群23.3ヵ月であった。
・データカットオフ(2019年11月29日)時点で、ALC群のOS中央値は依然として未達、CRZ群では57.4ヵ月であった(HR:0.67、95%CI:0.46〜0.98、p=0.0376)。
・5年生存率は、ALC群62.5%に対し、CRZ群では45.5%であった。
・他のALK-TKIへの後治療は、ALC群では38.1%、CRZ群では53.5%で発生した。ALC群では、主にロルラチニブとクリゾチニブ、CRZ群では主にセリチニブ、アレクチニブであった。
・更新データでも新たな安全性シグナルは観察されなかった。
発表者らは、第2世代ALK-TKIが、ALK陽性NSCLCの国際的研究で臨床的に意味のあるOSの改善を初めて示したが、OSデータは未達であり、より長い追跡が必要だと述べた。
(ケアネット 細田 雅之)